パレスチナ自治区ガザ地区(Gaza Strip)中心部のデイルアルバラ(Deir al-Balah)にある自宅がイスラエル軍の戦車からの砲撃を受けて全壊した時、シャイマ・シーク・カナン(Shayma al-Sheikh Qanan)さん(23)は妊娠8か月だった。
がれきの下敷きとなったシャイマさんは、1時間後に救援隊員らに助け出された時には既に重体となっていた。
地元ラジオ局記者の夫も重傷を負った。
シャイマさんが搬送されたデイルアルバラの病院の医師は、「25日午前3時ごろ起きたイスラエルの砲撃の後、彼女は搬送されてきた」と語った。
「蘇生を試みたが、搬送途中で既に息を引き取っていた」という。
だが医師らは、シャイマさんの腹部に動きがあることに気づき、直ちに帝王切開手術を実施。
胎内の赤ちゃんを救い出した。女の子だった赤ちゃんには、亡くなった母親と同じ名前が付けられた。
ひとりの人間は人間を救い。
ひとりの人間は人間を殺す。
宗教と国境の狭間で子どもたちはハエにまとわりつかれながら、栄養失調のお腹を膨らませている。
殺す人間にも子どもがいるだろうに。