暗いステージで、スポットライチをあびるだけというシンプルなステージ。
派手なレーザー光線もなし。
LEDもなし。
ただ、そこには「美輪明宏の歌」だけがあった。
それだけなのに僕の心の奥を揺さぶる。
もうひとつの「紅白」では、「泉谷しげる」がよかった。
NHKのしかも「紅白」なのの、「泉谷らしさ」満載だった。
「手拍子なんかするんじゃない! 頼んであるないだろう!」とNHKホールの観客に「いつものように」毒づいていた。
「現代」という「時代」に苛立っているかのように。
名曲「春夏秋冬」をさけび、「自分のためだけに唄え」と人生からドロップアウトしている人に叫んでいた。
この言葉が僕の心を揺さぶった。
泉谷は「春夏秋冬」を歌うと、怒ったように、ギターをスタッフに投げて付けていた。
彼は「シャイ」だからね。
「戦争」と「個人の幸福」を歌った、「美輪明宏」と「泉谷しげる」。
全く歌のタイプは違うが、その根っこは一緒だ。
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