2014年10月09日

ノーベル化学賞と物理学賞は分かりやすい

スウェーデン王立科学アカデミーは8日、2014年のノーベル化学賞を、分子の蛍光現象を利用して、ナノ(10億分の1)メートル級まで観察できるよう光学顕微鏡の解像度を高めた米独の3氏に授与すると発表した。

細胞のより微細な構造を把握する道が開かれ、神経細胞に異常たんぱく質が蓄積して発症するアルツハイマー病などの状態を把握することに役立っている。


授賞理由は「超高解像度の蛍光顕微鏡の開発」。

受賞するのは、米ハワード・ヒューズ医学研究所グループリーダーのエリック・ベツィグ(54)、ドイツのマックスプランク生物物理化学研究所長のシュテファン・ヘル(51)、米スタンフォード大教授のウィリアム・モーナー(61)の3氏。

従来の光学顕微鏡は光の持つ「回折限界」と呼ばれる理論上の限界があり、光の波長の半分の200ナノメートル程度までしか見ることができなかった。

ヘル氏は00年、エネルギーの大きさが異なる2種類のレーザー光を使って、対象物の分子自体を光らせて、微細構造を観察できるSTED顕微鏡を開発し、従来の限界を超えることに成功した。

また、ベツィグとモーナー両氏はそれぞれ、分子一つが出す光の揺らぎを見る単一分子分光計測という方法の基礎原理を発見した。

ベツィグ氏は06年に実用化した。



●世界を変える青い光=ノーベル賞

ノーベル物理学賞の受賞が決まった赤崎勇、天野浩、中村修二の3氏が開発した青色発光ダイオード(LED)は、LED照明の普及による省エネ化への貢献にとどまらず、ITや電力制御など、さまざまな技術分野で世界を変える可能性を秘めている。
 
波長の短い青い光は、少ない面積で大量の情報を読み書きできる。

青色LEDの技術を発展させた青紫色レーザーを使うブルーレイディスクは、赤色レーザーを用いるCDやDVDに比べ記憶容量が飛躍的に増加。

小型・高性能のプロジェクターなどへの応用も進み、IT機器が生活のあらゆるところに存在する「ユビキタス社会」への貢献が期待されている。
 
また、電気自動車や次世代送電網(スマートグリッド)など大電力を制御する電子デバイスとしても有望視されており、LED照明とともに省エネルギー、低炭素化社会の実現に向けた鍵となる。



ノーベル医学生理学賞に比べて、上記の化学賞と物理学賞は分かりやすい。

僕らの身近なものだし、実用的なものだ。


ノーベル賞って、昔は「理論」中心だったけれど、最近は「実用的」なものが受賞することが多くなったよね。


ちなみに、アインシュタインも、もちろんノーベル賞を受賞しているけれど、受賞理由は「相対性理論」ではなく、光量子仮説に基づく光電効果の理論的解明によって1921年のノーベル物理学賞を受賞した。

「相対性理論」は、まだ「本当かどうか」分からないという理由でノーベル賞の対象にならなかったらしい。

それにしても、アインシュタインはすごい。

彼、ひとりの研究でノーベル物理学賞の3つぐらい受賞してもいい成果を出していたものね。


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2014年10月07日

今年のノーベル医学生理学賞は「脳内のGPS」機能の発見

スウェーデンのカロリンスカ研究所は6日、2014年のノーベル医学生理学賞を、自分の位置を脳が把握する仕組みの解明に貢献したジョン・オキーフ英ロンドン大教授と、ノルウェー科学技術大のエドバルド・モーセル、マイブリット・モーセル両教授の3氏に授与すると発表した。
 
授賞理由は「脳内で位置感覚を構成する細胞の発見」。

モーセル教授は夫妻での共同受賞。
 

オキーフ教授は1971年、ラットの脳の「海馬」と呼ばれる部分に、ある特定の場所で反応する細胞があることを発見し、「場所細胞」と名付けた。
 
また、モーセル夫妻は2005年、周囲の環境との位置関係や距離を把握する「グリッド細胞」を発見。

場所細胞やグリッド細胞などのネットワークで、自分の位置を把握する仕組みを解明した。
 

人間の脳にも同様の仕組みがあり、海馬などに障害が生じるアルツハイマー病の患者では徘徊(はいかい)や周囲の環境が理解できないなどの症状が生じることが知られている。
 
研究成果はこうした病気の解明や、人間の脳が高度な認知機能を実現する仕組みの解明につながると期待されている。 



人間は見知らぬ土地を歩く時でも、出発地点からどの程度歩き、どこを曲がって、今はどのあたりにいるかを把握できる。

脳の中にGPS機能があるようなものだ。

その機能を司るのが「グリッド細胞」だという。


実に面白い発想の研究だ。

誰も、「自分が今、どこにいるか?」なんて、分かって「当然」だと思う。

その誰もが「当然」と受け止めていることを「何故、自分の位置が分かるのか?」なんてことを研究する発想自体がユニークすぎる。

だからこその、ノーベル賞受賞なんだろうけれどね。

そんな研究をしている科学者がいるとは思わなかった。


いや、本当に、「子ども的な発想」を大事にしないといけないんだな。

「どうして?」を連発する子どもの質問は丁寧に答えないとね。


その昔、子どもに「どうして、こんぶで出汁をとるとおいしいの?」という質問から「旨味成分のグルタミン酸」を発見した池田菊苗博士のようにね。
posted by ホーライ at 04:46| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2014年04月04日

科学は再現されてこそ、科学

誰がやっても、論文に記載されたとおいに実験すれば、論文どおりのモノができるのが科学の特徴。

文系の論文では「捉え方はひとそれぞれ」なので、そうはいかないが。

科学の論文では科学者の主観がどんなに入ってもベンゼンはベンゼン。

そんな科学論文に嘘の論文を載せたら、バレルのは当たり前。

世界中の科学者が論文どおりにやったら、論文どおりのモノができるはずなのの、それができない、なんていう事は、嘘の論文を書いた時点で分かったはず。

すぐに嘘の論文だと露呈する科学論文を作って、雑誌に投稿するというのはどういう精神構造をしているのだろう?

嘘の論文だとすぐにばれるのは分かり切っていたはずなのに。


僕のようなペイペイが書いた論文でも、少なくとも論文どおりに実験してもらえれば、僕が作ったものが世界中の科学者に作れるはず。

科学とは何か? という基本が抜けている人を輩出するようになったら、日本の科学も終焉が近い。

posted by ホーライ at 01:43| Comment(0) | TrackBack(0) | 自然科学 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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